「最高人民法院による中級人民法院の第一審民事事件の管轄基準に関する通知」
概 要
最高人民法院は9月24日、「最高人民法院による中級人民法院の第一審民事事件の管轄基準に関する通知」(以下、「通知」とする。)を発表した。その中では、中級人民法院を第一審民事事件の管轄とする事件を受理する最低額を大きく引き上げている。「通知」は、2021年10月1日から施行される。
最高人民法院は、一連の文書を各省、自治区、直轄市の高級人民法院、及び解放軍軍事法院、新疆ウイグル自治区高級人民法院生産建設兵団分院へ送付している。
「通知」では、次のことを定めている。
1. 当事者の住所が、受理する人民法院のある省級行政区に双方ともにある又はない場合は、訴訟の目的額が5億元以上の第一審民事事件を中級人民法院の管轄とする。
2. 当事者のいずれかの住所が、受理する人民法院のある省級行政区にない場合は、訴訟の目的額が1億元以上の第一審民事事件を中級人民法院の管轄とする。
3. 訴訟の目的額が1億元以上の第一審民事事件を戦区軍事法院、総直属軍事法院の管轄とする。
4. 新型の、複雑な、又は法律の適用に関して一般的な指針となる意義のある事件については、民事訴訟法第38条の規定に基づき、その審理について上位の人民法院が決定するか、又は下位の人民法院の申請に基づき決定する。
5. この通知で変更される等級の管轄基準は、知的財産権に関する事件、海事海商事件、及び外国、香港、マカオ、台湾の民事・商事事件には適用されない。
6. 最高人民法院が今まで発表した中級人民法院を第一審民事事件の管轄とする基準に関する規定について、この通知と矛盾する場合は、今後は適用されない。