Q1:労働契約が無効と認定されたときの法的効果について。
A1:
使用者と労働者のいずれの故意・過失により労働契約が無効となったにせよ、相手方に与えた損害に対し、賠償責任が生じます。
使用者の責めに帰すべき事由により労働契約が無効と認定された場合、労働者に対し次に掲げる損害を賠償しなければなりません。
(1) 労働者の給与収入に関して損害を与えた場合は、労働者本人の得べかりし給与収入を労働者に支払い、さらに得べかりし給与収入の25%を賠償金として追加で支払わなければなりません。
(2) 労働者の労働保護に関して損害を与えた場合は、国の規定に従い労働者の労働保護手当及び物品を補填しなければなりません。
(3) 労働者の労災、医療給付に関して損害を与えた場合は、国の規定に従い労働者に労災や医療給付を提供するほか、医療費の25%を賠償金として支払わなければなりません。
(4) 女性労働者や未成年労働者の身体・健康に損害を与えた場合は、国の規定に従い治療期間に関する待遇を与えるほか、医療費の25%を賠償金として支払わなければなりません。
(5) 労働契約に約定されたその他の賠償金。
労働者の責めに帰すべき事由により労働契約が無効と認定された場合は、「『中華人民共和国労働法』における労働契約に関する規定の違反に対する賠償弁法」における「労働者が規定又は労働契約に違反した場合の労働契約解除」の賠償に関する規定を適用しても良いし、民事契約の無効に関する取扱いの規定を適用しても良いでしょう。