中国国際経済貿易仲裁委員会が「中国国際商事仲裁年間報告書(2020年~2021年)」を発表
概 要
中国国際経済貿易仲裁委員会は9月13日、北京にて記者会見を開催し、その中で中国国際経済貿易仲裁委員会の王承傑副主任兼秘書長は、「中国国際商事仲裁年間報告書(2020年~2021年)」を発表した。この報告書は、中国における国際商事仲裁の発展に関する中国国内で唯一の年間総括である。王承傑氏は、次のように述べている。年間報告書では、新型コロナウィルスの拡散防止体制下における国際商事仲裁の発展及び実践について、積極的に回答し、検討しており、仲裁の中でも、新型コロナウィルスにより生じた建築工事、航空、金融等に関する実体的な争い、及びリモート仲裁廷等のインターネット情報技術の総合運用により仲裁手続きを能率よく高品質に行うことを保障する実践経験について、総括を行っている。また、年間報告書では、「金融に関する仲裁事件の特別考察」を行っており、中国国際経済貿易仲裁委員会が2020年に取り扱った金融事件の中から、217の典型事例を検索・選定し、ビッグデータ分析及び典型事例の解析を行った上で、中国国内及び国際的な金融紛争に関する仲裁事件に現在見られる特徴、並びに金融事件の仲裁理念の進化の状況の総括を行っている。年間報告書では更に、2020年前後の国際商事仲裁分野における仲裁員の利益相反及び忌避に関する問題の実務動向並びに進化の状況に焦点を当て、仲裁員の利益相反事件の実務における一般的な態様を整理して描き出し、仲裁員の利益相反の境界線を明らかにするために参考となる有意義なものとなっている。