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「中華人民共和国仲裁法(2025)」

 2025-10-1065
[要約]仲裁法の国際化

近年、商事紛争の解決に当たり、仲裁を選択する当事者が増加しつつある。2023年、全国279の仲裁機関は合計607,260件の事件が受理した。しかしながら、現行の「仲裁法(2017年改定)」の仲裁に関する規定は未だ国際における商習慣と完全に整合化されてしておらず、国際仲裁制度の不完備やアドホック制度の欠如等のように仲裁実務において問題が引き起こしている。「仲裁法」を更に整備するため、2021年7月30日に司法部は「仲裁法(改定)(意見募集稿)」を公布し、重大の改定を行おうとすることが明らかになった。その後、上海や海南等では、アドホック等の試みが始めた2024年11月4日、「仲裁法(改定案)」が全国人民代表大会常務委員会により一次審査され、約10ヶ月の審議を経て、「仲裁法(2025)」は最終的に全国人民代表大会常務委員会により2025年9月12日に公布された(主席令第54号、2026年3月1日から施行)。新仲裁法は全96条からなり、主な改定点は以下の通りである。

一、仲裁判断の取消期間の短縮

当事者が仲裁判断の取消しを申立てる場合、仲裁判断書を受け取った日から3ヶ月以内に提出しなければならない(72条)。これにより、旧仲裁法の6ヶ月(59条)より大幅に短縮され、仲裁判断の安定性を維持するのに有利である。経過期間は、日本の仲裁法に規定されている3ヶ月(日本仲裁法46条2項)と同じになり、当事者が仲裁判断の取消しを希望する場合、早期に申請を提出しなければならない。

二、国際仲裁の範囲の追加

国際仲裁の範囲について、新仲裁法には包括条項が新設され、つまり、既存の経済貿易、運輸、海事紛争に加え、「その他の国際紛争の仲裁」も仲裁法の関連規定に適用できるようになった。これは「最高人民法院による涉外民事関係法律適用法の適用に関する若干問題の解釈(一)」1条の国際民事関係の認定に関連性付しており、具体的には、国際性(涉外性)は、国籍、常居所地、目的物所在地及び法律事実発生地等が中国であるか否かに基づき判断されている。

三、仲裁地概念の明確化

国際的に通用されている「仲裁地」という概念は、中国では長らく法律的な明確化を得ていなかった。新仲裁法には、当事者により仲裁地が定められた場合、原則として仲裁地を仲裁手続の準拠法及び司法管轄裁判所の確定根拠とし、仲裁判断も当該地点でされたものとみなすこと、仲裁地が定めされていない場合、仲裁規則により仲裁地を確定すること、仲裁規則に規定がない場合、仲裁地は紛争解決の便益に基づき確定されることと明確にしている(81条)。この規定により、仲裁地の主な機能は準拠法と管轄を確定することであることが明確にされた。仲裁地を定める場合、仲裁地を〇〇国と定めれば十分である。

四、アドホック制度の新設

2021年に司法部が意見募集稿を公布して以来、各地はアドホック制度に関する試みを深化し続けてきた。最終的に、新仲裁法において、アドホック制度は限定的にだが、正式的に追加された。国際海事紛争又は国務院の認可を経て設立された自由貿易試験区、海南自由貿易港及び国家が規定するその他の区域内に設立・登記された企業間で生じた国際紛争については、中国を仲裁地と定め、「仲裁法」の規定する条件を満たす者で仲裁廷を構成し、定めた仲裁規則に従い仲裁を行うことができる。当該仲裁廷は、合議体の立てた後3営業日以内に当事者名称、仲裁地、仲裁廷の構成情况、仲裁規則を仲裁協会に届出をしなければならない(82条)。したがって、2026年3月以降、交渉の具体的状況に応じて、アドホックを選択することも可能である


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