『知的財産権の濫用による競争の排除、制限行為を禁止する規定』
概 要
国家市場監督管理総局は6月29日、『知的財産権の濫用による競争の排除、制限行為を禁止する規定』(国家市場監督管理総局令第79号。以下、「規定」)を公布した。2023年8月1日より施行される。
規定は33条からなり、2015年版と比べて次の内容を重点的に改正している。
1つ目として、「知的財産権の濫用による競争の排除、制限行為」の含意が拡張された。知的財産権の行使を利用することにより独占協定を締結し、市場支配的地位を濫用し、競争の排除や制限の効果を有するもしくは有する可能性のある経営者の集中などの三類の独占行為をすべて調整範囲に組み入れた。
2つ目に、知的財産権行使の健全な利用により独占行為の認定規則を実施する。2022年改正の独占禁止法に基づき、知的財産権の特徴や実際の監督管理を踏まえ、関連市場の定義や市場支配的地位の認定および推定、独占行為に関する認定、経営者集中審査が考慮される要素および付帯された制限性条件の具体的な類型など、改善や細分化が行われ、規則のガイダンス性や実施可能性が増強されている。
3つ目として、知的財産権分野の典型的、特殊な独占行為の規則を強化。例えば、専利共同経営に関する規定を改善し、その実態およびメンバーが専利共同経営を利用して独占行為を行うことを禁じる。標準の制定および実施の過程における独占行為に関する規則を強化し、市場支配的地位を有する経営者が標準必須専利実施を利用して強制する行為を禁止することなどが含まれている。