概　要

　深セン市のグリーンファイナンスの発展及び持続可能な金融センターの建設を推進するため、全国初のグリーンファイナンス分野の法令である「深セン経済特区グリーンファイナンス条例」（以下、「グリーンファイナンス条例」とする。）が先日、深セン市人民代表大会常務委員会会議にて可決された。この条例は、2021年3月1日に正式に施行される。

　「グリーンファイナンス条例」は、全国、ひいては国際グリーンファイナンス分野において多くの点で前例のない法令である。その中では、一部の金融機関に対し、2022年1月1日より環境情報を強制的に開示させる規定が「グリーンファイナンス条例」における重要なポイントの1つである。この条例は、深セン市において、新興の環境保護産業の発展と伝統的な産業のグリーン化を促すための金融ビジネス生態系及び法治化されたビジネス環境を構築することについて保障を提供し、さらに中国全土のグリーンファイナンスの法治化及び発展について先行モデルを提供することを目的とする。

　グリーンファイナンスの発展は、時代の趨勢であり、各種商品及びサービスが次々に開発されているが、イノベーションとリスク管理との間でどのように平衡を保つかが金融監督部門を悩ませる難題となる。「グリーンファイナンス条例」では、中央と地方の職務を厳格に分類し、グリーンファイナンスの監督とリスク防止のための具体的な措置を規定し、相互的金融業務のリスク管理を強化している。

　また、「グリーンファイナンス条例」では、市の地方金融監督部門に対しグリーンファイナンス分野における行政罰の権限の一部を与え、環境保護に関する内部管理制度の構築、環境保護に関する投資評価及び情報開示を行う金融機関に対する違法行為を処罰できるようにし、グリーンファイナンスの発展に対し良好な法律環境を提供するため、グリーンファイナンス分野における監督機能の規範化及び強化を行っている。