「中華人民共和国監察法実施条例」
概 要
国家監察委員会は9月20日、「中華人民共和国監察法実施条例」(以下、「条例」とする。)を公布し、公布日より施行された。この規定は、国家監察委員会が「全国人民代表大会常務委員会による国家監察委員会の監察法規制定に関する決定」に基づき制定した初めての監察法規である。
「条例」は、総則、監察機関及びその職務、監察の範囲及び管轄、監察の権限、監察手続き、腐敗防止に関する国際協力、監察機関及び監察官に対する監督、法律責任、附則等、9章287条から成り、それぞれ監察法の各章に対応している。「条例」は、監察法の関連規定を元に、公職者の定義を整理し、監察法に定める6種類の監察対象をそれぞれ詳細化し、明文で列挙して定め、監察の対象とされる範囲を全て定めた。
「条例」ではまた、監察機関の調査範囲を規定し、監察機関による違法行為や犯罪を調査する職務についてそれぞれ定め、職務上の違法に該当する客観的行為類型を列挙し、更に監察機関が管轄する101の職務犯罪の名称を列挙している。この101の犯罪名は、監察機関が職務犯罪を調査する責任についてのリストであると同時に、公職者、特に幹部職が職務を執行する上での最低ラインについての要求であり、ネガティブリストであり、また公権力の行使に対する制度上の檻であり、公職者、特に幹部職に対し、法を恐れ敬い尊重させるよう教育し、注意を促し、法令を遵守し正しく公平に清廉に権力を行使させるものである。