「北京市における『中華人民共和国労働組合法』の実施に関する弁法」
2021年に改正された「中華人民共和国労働組合法」を貫徹し、プラットフォーム経済や新たな雇用形態など労働関係における新たな変化に対応するため、北京市は2026年3月27日に「北京市による『中華人民共和国労働組合法』実施弁法」(以下、「本弁法」という)を改正・公布し、2026年5月1日から施行した。本弁法は計7章57条からなり、2015年版から大幅な統合と更新が行われている。主な内容は以下の通りである。
一、解雇手続き
本弁法では、使用者が一方的に労働者の労働契約を解除する場合、5営業日前までにその理由を当該企業の労働組合に通知しなければならないと規定している。労働組合組織がまだ設立されていない場合は、上級労働組合に通知しなければならない(第20条)。企業が法定の要件を満たし、人員削減が真に必要である場合、30日前までに労働者代表大会または労働者総会の形式を通じて、労働者に状況を説明し、労働組合または労働者の意見を聴取しなければならない(第20条)。この手続きを履行しない場合、違法解雇のリスクが著しく高まる。
二、派遣労働者の加入
本弁法では、労働者派遣事業者が労働組合を設立している場合、派遣労働者を労働組合に加入させるものと規定されている。労働者派遣事業者がまだ労働組合を設立していない場合、雇用主側の労働組合が派遣労働者を労働組合に加入させるものとする(第13条)。企業は派遣事業者と労働組合の設立状況を確認し、事前に受け入れ準備を整えることが推奨される。
三、経費の拠出
労働組合経費は、毎月の全従業員の賃金総額の2%を拠出し、税引前費用として計上する(第45条)。経費は税務機関が代収することができ、財政交付金を受ける事業体は同級の財政予算に全額を計上しなければならない(第46条)。社会団体法人資格を有する労働組合は、法に基づき独立した経費口座を開設しなければならず、条件を満たす雇用主は労働組合経費の還付支援政策を受けることができる(第46条)。雇用主が期限を過ぎて労働組合経費を納付しない、または納付額が不足している場合は、速やかに追納しなければならない。督促を受けてもなお納付しない場合、労働組合は人民法院に支払命令を申請するか、または法に基づき強制執行を申請することができる(第47条)。
四、信用懲戒
組合結成の妨害、協議の拒否などの違法行為については、関連情報が公共信用情報プラットフォームに集約され(第52条、第55条)、企業の信用格付けや経営活動に影響を及ぼす。
なお、本弁法では、2015年版にあった労働組合幹部の労働契約の自動延長などの条項が削除されたが、上位法である「労働組合法」第19条には依然として、基層労働組合の専任委員長、副委員長または委員は、就任の日からその労働契約期間が自動的に延長され、延長期間はその在任期間に相当すると規定されている。企業は関連する人事処理を行う際、引き続き注意を払う必要がある。






