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日中比較法の見地から孔祥俊先生のご報告を伺い思うところ―一橋大学法学研究科教育評議員 伹見亮 氏―

 2023-04-16461

1. 法と司法解釈の関係について

  日本法の場合、立法・改正作業を通じて法が非常に詳細になり、細かくなる傾向

  中国の反不正当競争法は4400字(中文)、日本の不正競争防止法は33000字

  日本では法律自体に問題状況や規律の内容が明確に示される(対応・変化は遅い)

  法的な技術・レトリックを用いた表現も多く、条文が非常に読みにくい(ギルド的)

  個別状況についてはルール化が難しく、司法の判断が慎重になり、分岐も目立つ

  中国法では立法はむしろ大きな枠を示し、司法解釈で詳細化する、というのが顕著

  条文は一般人にも読みやすく、ユーザー目線。意図・趣旨など大枠が明確に伝わる

  直接処理を担当する専門部局(行政・司法)によるルール定立の余地が大きい

  現実状況と処理ルールが連動しやすく、個別問題への対処が具体的かつ詳細・果断

 

2. 豊富な事件の分類・検討

  本報告は、裁判官ならではの視点。収穫が大きい

  日中とも事件分析の重要性を強く意識(但し事件は様々で個別対応が必要となる)

  日本=法文が余りに詳細で限定的…新ルールの適用事例が見られない例も(下記)

  中国=(法文)初歩的立証や合理的表明など、抽象的で程度の問題となる概念が多い

  具体的なケースだけでなく、上級審(とりわけ最高法院)の判断基準が必要に

 

3. 立証責任(とりわけ転換ルール)の様相

  日本では長きに渡り(現在も)重要な課題(実体法基準=法律要件分類説の限界?)

  民法・民事訴訟(規範)全体の構造・均衡重視⇄個別対応が困難(法5の2が典型)

  中国は分類・個別対応の様相が顕著(不法行為法の両原則や環境分野の対応など)

  社会的・経済的現実への対応という意識が強く、合理的処理・実質的対応が可能

 

終わりに

    総じて、大きく見たとき、統治構造全体の枠組みの違いが背景に

  中国:一体・一元的統治(社会主義的)=財(正義)の分配…公平原則の発想が強い

  司法の役割や構造も全体の統治の中で柔軟かつ合理的に働く=結果合理性重視

    日中の逆転と今後の展望(法を巡る交流・インタラクティヴの変化)

  日本:直近(未解決)の問題→中国で対応・実施済(調査・研究の対象、参考となる)

  制度、規定、条例と(日企の)実例の検討に止まりがち=インサイダーの不足

以上


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