公布日：2021.3.12

公布部門：中国人民銀行、国家外貨管理局

概　要

　中央政府及び国務院による広東・香港・マカオ大港湾区、中国（北京）自由貿易試験区及び国家サービス業開放拡大総合モデル地区の建設推進に関する総合政策の実施を徹底し、より高レベルな開放型経済の新体制の建築を支援し、金融サービスの実体経済力を向上させるため、中国人民銀行及び国家外貨管理局は、深セン及び北京において、多国籍企業の人民元・外貨プーリングの一体化業務の第1回試験を実施することを決定した。これにより、多国籍企業グループがクロスボーダー資金を更に便利に計画的に使用できるようになる。

　試験実施の対象は、信用等級が高い大型多国籍企業グループであり、その主な内容は、次の通りである。1．人民元・外貨政策が統一される。既存の各種キャッシュプーリングが統合され、多国籍企業グループ内でのクロスボーダー資金の人民元・外貨の一体化管理が実現される。2．双方向マクロプルーデンス管理を実施する。外債と国外融資の限度額を適度に調整し、慎重で安定した経営理念を基本としてクロスボーダー投融資の自主性及び資金利用効率を向上させる。3．資金の振替と使用の利便性を更に向上させる。主幹企業の中国国内資金の主要（サブ）口座における人民元換金後の資金は、人民元国内資金の主要（サブ）口座に直接入金することができ、中国国内資金の主要口座の資金は、構成企業の自社口座に直接振り分けて関連する手続きを行うことができる。4．一定の限度額まで外貨の自由両替が実現される。両替により得た外貨資金は、中国国内資金の主要口座に預け入れ、外国への支払に用いることが出来る。5．手続き中及び手続き後の監督管理が強化される。統計監視、リスク評価、オフサイトチェックや実地検査が強化され、クロスボーダー資金の流動リスクを有効に防止する。