上海市人民政府弁公庁は2025年5月12日に『上海市消費促進特別行動プラン』を発表した。このプランは、中央政府が2025年3月16日に発表した『消費振興特別行動プラン』を具体化にした上海市の政策という位置づけである。プランは6つの主要分野にわたり、26の具体的な施策がある。

1.都市・農村住民の所得向上

中小企業や若年層への雇用支援策を強化し、「15分就業サービス圏」の整備や「青年驛站」の拡充を推進する。人工知能、スマート製造、介護など重点分野での技能人材育成を強化し、職業スキル向上補助政策を充実する。賃金協議制度の推進や最低賃金の調整、農村経済の活性化を通じて、住民の所得向上を図る。

2.消費能力の保障と支援

育児補助金や産休・育児休暇の拡充、公立幼稚園の増設などを通じて、子育て支援を強化する。高齢者向けの住宅改修、訪問介護サービスの拡充、長期介護保険制度の最適化を推進する。企業年金や個人年金の発展、柔軟な雇用形態への対応、基本生活救助を強化する。

3.サービス消費の質的向上

演芸活動の支援、博物館や美術館の整備、テーマパークの拡充などにより、文化消費を促進する。F1中国グランプリやATP1000マスターズなどの国際大会を活用し、スポーツ経済を推進する。高品質な医療サービスの提供、心理健康サービスの強化、リハビリ機器の普及などを進める。

4.大型消費の更新促進

国家の補助政策に基づき、家電や自動車の買い替えを促進し、グリーン消費を推進する。住宅の質向上、老朽化した住宅の改修、若者向けの賃貸住宅供給の拡大などを通じて、住宅市場を活性化する。人工知能やバーチャルリアリティなどの先端技術を消費分野に応用し、新たな消費シーンを創出する。高齢者向けのサービスや商品、旅行パッケージの開発、シニア向けイベントの開催などを支援する。オリジナルIPの開発、夜間経済の活性化、ペット関連サービスの拡充などを通じて、多様な消費ニーズに対応する。

5.消費環境の改善

偽造品の取り締まり、消費者信用システムの構築、返品制度の改善などを強化する。スマート商業エリアの開発、伝統的な百貨店の改造、夜間消費施設の整備などを推進する。多言語案内の整備、モバイル決済の利便性向上、免税店の拡充などを通じて、国際的な消費環境を整備する。