×

WeChatを開いてQRコードをスキャンする
WeChatパブリックアカウントを購読する

ホームページ 錦天城法律事務所外国法共同事業について 専門分野 インダストリー 律師(弁護士)等の紹介 グローバルネットワーク ニュース 論文/書籍 人材募集 お問い合わせ 配信申込フォーム CN EN JP
ホームページ > 論文/書籍 > 法律考察 > 「インターネットプラットフォームの価格設定行動規則」

「インターネットプラットフォームの価格設定行動規則」

 2025-12-2525
[要約]インターネットプラットフォームの価格設定及び競争に関するルール

インターネットプラットフォームの正常化された価格監視メカニズムを改善し、関連する価格設定行動を規範化し、消費者及び事業者の合法的な権益を保護するために、202512月に、中国国家発展改革委員会、国家市場監督管理総局、国家インターネット情報弁公室は「インターネットプラットフォームの価格設定行動規則」(発改価格規〔20251607号、以下「規則」という)を公布した。「規則」は2026410日から施行され、有効期間は5年間とする。

「規則」は「中華人民共和国価格法」、「電子商取引法」、「不正競争防止法(2025年改正)」、「消費者権益保護法(2013年改正)」、「サイバーセキュリティ法」、「個人情報保護法」等の関連法律に基づき制定され、中国国内においてインターネットプラットフォームを通じて商品を販売又はサービスを提供するプラットフォーム事業者及びプラットフォーム利用事業者に適用する。

「規則」は計29条からなり、主に自主的な価格設定権及びプラットフォーム料金基準の公示と意見募集の義務付の明確化、正札価格表示の要求、価格差別の禁止、並びにプラットフォームによる価格コンプライアンス管理制度の構築などの要求を含む。「規則」の主な内容は以下の通りである。

一、事業者の価格設定自主権の強化

プラットフォーム利用事業者が他のプラットフォームにおいて商品を販売又はサービスを提供する場合、法令により自主的に価格を設定できる。プラットフォーム事業者は、料金基準の調整、トラフィックの制限、検索順位の下落、店舗の検索結果から非表示等の方法により、プラットフォーム利用事業者に対し値下げ要求、異なる販路(チャネル)での価格設定の制限、又は自動価格連動システムの導入を強制的、又は形を変えて実質的に強制する(中国語:变相)こと等の行為をしてはならない(「規則」5条)。

二、プラットフォーム料金基準の規範化

6条により、プラットフォーム事業者は、料金項目又は規約若しくは基準を新設または変更する場合、ホームページの目立つ位置において、プラットフォーム利用事業者からの意見を募集しなければならない。意見募集期間は原則7日間以上とする。プラットフォーム利用事業者に重大な影響を及ぼす場合には、合理的な移行措置を策定しなければならない。プラットフォーム利用事業者は、プラットフォームからの退出を選択する権利を有し、この場合、プラットフォーム事業者はこれを妨げてはならない(「規則」6条)。本メカニズムにより、プラットフォーム利用事業者の料金改定に係る意見陳述権と退出の自主権が強化された。

三、正札価格表示及び販促ルールの明確化

プラットフォーム利用事業者は、販売する商品又は提供するサービスについて正札価格を明記するとともに、価格及び関連する費用情報を公開しなければならない(「規則」7条)。差別的価格設定又は動的価格設定を実施する場合には、目立つ位置にてそのルールを公開しなければならない(「規則」8条)。販促を実施する場合、ルール、期間及び割引基準を明確に公示しなければならない(「規則」10条)。なお、オークションランクについては、消費者に対し「広告」である旨を明記しなければならない(「規則」13条)。

四、価格詐欺及び不正競争行為の禁止

プラットフォーム事業者及びプラットフォーム利用事業者は、競合他社を排除するために、原価を下回る価格で商品を販売してはならない(「規則」14条)。緊急事態が発生している期間においては、緊急物資の価格を不当に引き上げてはならない(「規則」17条)。虚偽又は誤解を招きやすい価格手段を用い、消費者又は他の事業者を騙して取引をさせる行為(架空の原価表示、虚偽の販促、価格約束の不履行等が含まれる)を明確に禁止する(「規則」17条)。

五、消費者権益保護の強化

パスワード不要の決済、自動更新、抱き合わせ販売等のサービスを提供する場合、消費者に対して顕著な方法で告知し、かつ簡便なキャンセル方法を提供しなければならない。また、自動引き落としを実施する度に、消費者に対して引き落としの時期、金額及びキャンセル方法を通知しなければならない(「規則」20条)。本規定は、サブスクリプションサービス又は抱き合わせ販売を取り扱う事業者に対し、明確な告知義務と操作上の要求事項を提示している。

六、プラットフォーム内部のコンプライアンス及び監視メカニズム

プラットフォーム事業者は、苦情対応チャンネルの設置、取引情報の保存、監督調査への協力、アルゴリズムの届け出等を含む価格設定行動に関するコンプライアンス管理体制を構築しなければならない(「規則」24条)。「規則」は、業界協会、商工会に対し、自主規制機能を発揮し、業界基準の策定を推進することを奨励する(「規則」25条)。

「規則」は2026410日から施行される。施行前に、監督当局は主要プラットフォーム事業者に対し、自主点検を実施するよう組織・指導する。中国国内においてプラットフォームを通じて事業を展開する日本企業は、本「規則」の規定に照らして、自社の価格設定戦略、販促方法、契約条項及びデータ利用に関するコンプライアンス状況を早期に点検し、必要に応じて社内規程やプラットフォームとの連携メカニズムを適宜調整することをお勧めする


沪公网安备 31011502005268号 沪ICP备05002643号