概　要

　人民銀行は先日、発展改革委員会、商務部、国有資産監督管理委員会、中国銀行保険監督管理委員会、外貨管理局と合同で、「クロスボーダー人民元政策の更なる改善及び対外貿易と海外資本の安定化支援に関する通知」（銀発〔2020〕330号、以下、「通知」とする。）を発表した。この「通知」は、2021年2月4日より施行される。

　「通知」は、計5つの部分、15条から成り、実体経済の需要に応じたより高水準の貿易投資人民元決済の利便性向上、クロスボーダー人民元決済手続きの簡素化、クロスボーダー人民元投融資管理の改善、個人の経常項目における人民元のクロスボーダー出入金の利便性向上、国外組織の人民元銀行決済口座を使用する利便性の向上等、5つの内容を含む。「通知」ではまた、国外組織の人民元銀行決済口座の受取範囲を拡大し、国外の同一名義の口座から振り込まれた人民元資金の受け取り等を可能とした。

　「通知」では、「一部の資本項目の人民元収入の使用に関する規制緩和」と同時に、次のことを定めている。中国国内の組織の資本項目の人民元収入（外商直接投資資本金、クロスボーダー融資及び国外での上場による調達資金の回収を含む。）について、次に定める規定に違反しない場合は、国の関連部門が承認した経営範囲において使用することができる。企業の経営範囲外又は国の法律法規で禁止される支出に直接又は間接的に用いてはならない。明文規定がある場合を除き、証券投資に直接又は間接的に用いてはならない。経営範囲において許可が明記されている場合を除き、関連企業以外への金銭の貸与に用いてはならない。自社で使用しない不動産の建設、購入に用いてはならない（不動産業者を除く）。

　次の段階では、人民銀行は、関連部門とともに「通知」の実行業務を遂行し、商業銀行への業務指導を強化し、人民元クロスボーダー使用政策を引き続き改善し、クロスボーダー人民元業務が実体経済に貢献し、貿易投資の利便性が向上するための役割を発揮させる。