「北京市における経営主体の営業場所(住所)登録管理に関する若干の規定」
2015年6月1日に施行された「北京市における市場主体の住所(営業場所)登録管理に関する若干の規定」は、北京市における事業主体の住所(営業場所)の登録管理を規範化し、事業主体の参入の利便性を向上し、監督管理を強化するものである。2022年3月1日に施行された「中華人民共和国市場主体登記管理条例」(国務院令第746号)及び2024年11月29日に改正された「北京市ビジネス環境最適化条例」(北京市人民代表大会常務委員会公告〔第16期〕第28号)に伴い、北京市における市場主体の登記規範はさらなる最適化が必要となった。ビジネス環境の最適化と経営主体登録の利便性向上を図るため、北京市人民政府弁公庁は2025年11月26日、「北京市における経営主体の営業場所(住所)登録管理に関する若干の規定」(以下「規定」という)を発表した。
「規定」は計20条で、主に経営主体の範囲及び住所の定義を明確化し、一部の登録手続きを簡素化する。主な改正内容は以下の通りである。
1.外国企業の支店にも明確に適用
「規定」は「外国企業の支店」を適用対象として明確に列挙し、外国企業の常駐代表機関の駐在場所登録管理については準用できると規定している(第3条)。これにより、日本企業が北京に支店を設置する際の明確な法的根拠が提供された。
2.営業場所の類型が追加
「規定」では、以下の種類の空間を営業場所として使用することを認め、関連する管理機関が使用証明書を発行するとされる。
都市更新改造空間:政府が承認した都市改造プロジェクトにおいて営業に使用可能な空間(第7条)。
公共機関付属空間:図書館、博物館などの公共機関内の利便サービス区域(第8条)。
大学・研究機関内空間:科学研究成果の転化及び関連営業活動に使用可能(第9条)。
3.登記手続きの簡素化
インターネットのみで営業する個人事業主は、ネットワークアドレスを営業場所として登記可能(第11条)。
北京市内の事業主体が市内に複数支店を設置する場合、営業許可証の企業コードに複数の営業場所情報を登録申請でき、支店ごとに別途営業許可証を取得する必要がない(第13条)。
4.登録のスマート化推進
「規定」は全市統一の営業場所標準化情報データベースの構築を提唱し、情報のスマートマッチングと検証を推進するとともに、営業場所(住所)の権利者への登録情報プッシュによる確認を模索する(第12条)。これにより、登録プロセスはより効率的かつ透明化される。
5.クラスター登録の監督管理の改善
「規定」は、各区に対し「クラスター登録」場所(複数の企業が同一登録住所を共有する形態)について、総量管理・産業誘導・業種制限・コンプライアンス支援・信用制約・秩序ある退出などの制度整備を要求している(第14条)。
同時に、政府部門は情報共有と協調監督を強化し、経営異常や安全リスク等に対して速やかに管理措置を講じる(第17条)。






