×

WeChatを開いてQRコードをスキャンする
WeChatパブリックアカウントを購読する

ホームページ 錦天城法律事務所外国法共同事業について 専門分野 インダストリー 律師(弁護士)等の紹介 グローバルネットワーク ニュース 論文/書籍 人材募集 お問い合わせ 配信申込フォーム CN EN JP
ホームページ > 論文/書籍 > 法律考察 > 「深圳経済特区知的財産権保護条例(改正案・意見募集稿)」

「深圳経済特区知的財産権保護条例(改正案・意見募集稿)」

 2026-07-0323
[要約]データ知的財産権の登録制度、SEPに係る行政裁決制度の整備及び仮処分制度の充実(深圳市の方針)

 2026年6月25日、深圳市司法局は「深圳経済特区知的財産権保護条例(改正案・意見募集稿)」(以下、「意見募集稿」という)を公表した。今回の改正の重点には、標準必須特許(SEP)侵害紛争に関する行政裁決制度の確立、知的財産権の仮差止命令手続の整備、データ知的財産権登録制度の構築などが含まれる。現在は意見募集の段階にあり、深圳市司法局が指定するルートを通じて意見を提出することができる。意見募集稿は計66条からなり、主な内容は以下の通りである。

 

一、知的財産権行政裁決制度

今回の改正では、特許及び著作権の2つの分野において、行政裁決の適用範囲が拡大された。

1.SEP侵害に関する行政裁決(第29条):意見募集稿は、当局に対し、SEP侵害紛争に関する行政裁決及び調停制度の確立を求めている。事実関係が明確で、証拠が確固としており、争点が少なく、係争中の特許権が安定しており、かつ無効宣告手続の対象となっていない特許侵害紛争の行政裁決案件については、簡易手続が適用され、事件受理の日から45日以内に処理決定が下される。通常1~2年を要する特許侵害訴訟に比べ、コストと時間の面で明らかな優位性がある。SEP特許ポートフォリオを保有する日本の通信・電子企業は、訴訟以外の紛争解決手段として行政裁決を活用することができる。

2.著作権侵害の行政裁決(第30条):意見募集稿では、同時に初めて著作権侵害紛争に対する行政裁決制度が導入された。製品マニュアル、広告素材、音楽、ソフトウェアなどの著作物が中国において無断で使用された場合、著作権者または利害関係者は、所管当局に対し、行政裁決による処理を申請することができる(具体的な手続きは未公表)。

 

二、仮差止命令の手続きの整備

当局が知的財産権侵害行為に関する申立てを受けた場合、意見募集稿は、当局に対し、予備的な証拠を把握した上で、仮差止命令を発令し、侵害の疑いがある者に対し、直ちに侵害行為を停止するよう命じる権限を付与している。仮差止命令の執行を拒否し、最終的に侵害が認定された場合、仮差止命令の発令日以降の違法営業額の2倍に相当する罰金が科される(第31条)。

従来、先行差止命令は具体的な手続き上の規定が欠如していたため運用が困難であったが、今回の改正により差止命令の運用ルールが詳細化され、行政差止命令の実効性向上に寄与する。特許権者は、行政差止命令を積極的に活用して、侵害行為を迅速に阻止することができる。差止命令に不服がある被疑侵害者は、法に基づき行政復議を申請するか、中級人民法院に行政訴訟を提起することができる。

 

三、データ知的財産権登録制度の新設

意見募集稿では、データ知的財産権登録制度が新設され、深圳において法令に基づき取得され、一定の規則に従って処理され、実用価値及び知的成果の属性を有するデータ集合については、市の所管部門に登録を申請できると規定されている(第14条、第15条)。登録書類は、権利保護、取引、金融サービス、資格認定などの場面において、当該データ集合を保有していることの予備的証明として活用できる。

日系企業が深圳の子会社においてIoT機器を通じて収集したユーザー行動データや、深圳の研究開発センターで生成されたテストデータセットなどについて、データ取引、ライセンス供与、質権設定による資金調達を行う予定がある場合、あるいは潜在的なデータ紛争に対処する場合、登録を資産の権利確認における有効な裏付けとして活用することを検討できる。


沪公网安备 31011502005268号 沪ICP备05002643号