「上海市における外資系研究開発センターのレベル向上をさらに支援するための政策措置」
上海市人民政府弁公庁は2025年12月30日に「上海市における外資系研究開発センターのレベル向上をさらに支援するための政策措置」(滬府弁規〔2025〕22号、以下「措置」という)を公布した。「措置」は2026年1月1日から施行され、有効期限は2030年12月31日までとなっている。
「措置」は、外資系研究開発センターの上海への集積とレベル向上を図り、都市のイノベーションエコシステム構築とより良く融合することを目指すものである。「措置」では、研究開発強化支援、開放型イノベーションの促進、研究開発と製造の一体化支援、科学研究物資の通関利便性向上、研究開発データの合法的な越境移転支援、科学技術イノベーション金融支援の拡大、知的財産保護レベルの向上、人材サービス保障の充実、税制政策の適切な実施、そして政府サービス支援の強化という10分野にわたる26の具体的な措置が示されています。主な内容は以下の通りである。
1.研究開発運営とデータ越境流通
研究開発運営に関して、「措置」は外資系研究開発センターが自社の研究開発用地で小規模試験、中規模試験(危険化学品を伴わない)を実施することを支援し、環境影響評価審査プロセスを最適化する(第6条)。研究開発用品の輸出入の円滑化においては、「一時入国貨物の滞留時間延長」などの課題に対し、さらなる支援措置が強化される(第9~10条)。データ流通に関して、認定された重要データに対して、政府がデータ越境流通の「グリーンルート」を開設し、関連分野のネガティブリスト策定作業を推進する(第13条)。
2.税制優遇
条件を満たす研究開発センターが輸入する研究開発用品については、輸入関税及び輸入段階の増値税、消費税を免除される。また、資格を満たした中国産設備の調達については増値税を全額還付する(第23条)。研究開発費用は税前加算控除の対象となり、企業が基礎研究に用いた支出は、税前控除できるだけでなく、100%の税前加算控除を享受できる(第24条)。外資系研究開発センターが国家ハイテク企業の認定を申請することを支援し、認定を受けた場合には、法人所得税を15%に軽減する(第6条)。
3.医療業界と金融サービス
外資系研究開発センターが医薬品上市許可持有人制度(MAH)を利用して上市許可と生産許可を分離することを支援する。また、輸入医療器械製品の上海での生産への切り替えを促進し、検査プロセスの最適化、審査承認の迅速化を図る(第8条)。金融支援については、自由貿易口座(FT口座)を活用することで、研究開発センターは越境資金調達、技術貿易、資金集中管理などの金融サービスを利用できる(第14条)。
4.知的財産保護
知的財産保護に関して、外資系研究開発センターは市知的財産保護センターを通じて迅速な予備審査、権利確定、権利保護のワンストップサービスを受けることができる。また、悪意の権利侵害行為に対しては法律に基づき懲罰的賠償を適用できる(第16条)。






