「医薬品試験データ保護実施弁法」
医薬品試験データの保護については、現在、原則的な規定のみが存在している。具体的な規則を明確にするため、国家薬品監督管理局は2026年5月15日、「医薬品試験データ保護実施弁法」(国家薬品監督管理局公告2026年第47号、以下「弁法」という。同日より施行)を公布した。弁法は計15条からなり、その主な内容は以下の通りである。
一、保護の対象となるデータ
化学医薬品、予防用及び治療用生物学的製剤が国内で初めて上市される際、申請者が自ら取得*し、かつ未開示の試験データ**は、保護の対象となる(第3条)。また、新たな適応症又は新たな対象患者群に関する臨床試験データについても、申請者は別途、新たなデータ保護を申請することができる(第7条)
* 自ら取得:自ら研究を実施、研究を委託、又は購入、独占的許諾の取得を通じてデータを取得することを指す(国家薬監局 『「医薬品試験データ保護実施弁法」政策解説』)
** 未開示:当該データが中国国内において初めて医薬品上市許可申請に使用された際、申請資料としてまだ公開されていないことを指す(第4条)。
企業は、「自ら取得」及び「未開示」の事実を証明できるよう、原試験データ、倫理審査承認書、委託契約書等の資料を適切に保管しなければならない。
二、保護期間(第5条~第8条)
■革新薬、海外で既に上市され中国国内では未上市の先発薬:6年
■改良型新薬、海外で既に上市され中国国内では未上市の改良型新薬:4年
■最初のジェネリック医薬品(上記の先発薬に対するもの):3年
■中国国内で既に上市されている先発薬の一般ジェネリック医薬品:データ保護は付与されない
三、申請手続きと保護効果
申請者は、医薬品上市許可申請を提出する際、同時にデータ保護申請を行う必要がある(第9条)。事後の申請追加は認められないため、内部の期限管理に十分注意すること。
データ保護期間中、医薬品上市許可保持者の同意を得ずに、他の主体が保護対象のデータに依拠して医薬品上市許可又は補充申請を行った場合、国家薬品監督管理局は許可を行わない(第5条第5項)。
機能面から見ると、本制度は日本の再審査期間制度に類似している(いずれも後発医薬品が先発医薬品のデータに依存することを制限している)。両者の主な違いは、中国の保護期間が比較的短く(最長6年)、保護対象が未公開の試験データのみであるのに対し、日本の再審査期間は通常8年であり、保護対象は再審査期間中に収集された全データである点にある。






