「最高人民法院・最高人民検察院による汚職・賄賂刑事事件の処理における法律適用の若干の問題に関する解釈(二)」
2016年に施行された「汚職・賄賂刑事事件の処理における法律適用の若干の問題に関する解釈」(法釈〔2016〕9号、以下「2016年解釈」という)について、その施行過程において、同解釈で規定された起訴基準と公安機関の立件基準(2022年「公安機関の管轄する刑事事件の立件・追訴基準に関する最高人民検察院・公安部の規定(二)」)との間に不一致が生じている。
この問題を解決するため、最高人民法院および最高人民検察院は2026年に「汚職・賄賂刑事事件の処理における法律適用の若干の問題に関する解釈(二)」(法釈〔2026〕3号、以下「2026年解釈」という、2026年5月1日より施行)を公布した。2026年解釈は計24条からなり、主な内容は以下の通りである。
一、犯罪成立の基準と立件基準の統一
2026年解釈第8条は、犯罪成立の基準と公安による立件基準を統一した。現在、犯罪成立の基準は以下の通りである。
罪名 | 起訴基準 |
非国家職員収賄罪 | 3万元 |
非国家職員に対する贈賄罪 | 3万元 |
業務上横領罪 | 3万元 |
資金流用罪 | 違法活動への使用3万元 |
営利活動への使用/3ヶ月以上返還されない場合5万元 |
二、特殊な形態の収賄の認定基準の明確化
株式や持分から将来得られる収益を対象とする賄賂行為について、2016年解釈では具体的な金額認定基準や刑事処罰のルールが明確にされていなかった。2026年解釈では、株式・持分の予想収益を受領することを賄賂の形態とする場合、収賄額は①実際の利益に基づき認定されることが明確に規定された。実際の利益が得られていない場合、収賄額は②事件発生時の当該資産の市場価格と支払価格との差額に基づき認定される(第11条)。
三、違法所得の追徴に関する規則の具体化
2016年解釈では、違法所得の追徴について原則的な規定のみが設けられており、違法所得が他の財産形態に転換された場合などの特殊な状況については、明確な規定がなされていなかった。2026年解釈第23条では、次のように明確に規定している。。
違法所得の状況 | 追徴の規則 |
他の財産への転換 | l 他の財産に換金された場合は、当該財産(住宅等を含む)を追徴する l 合法的な財産と混同された場合は、違法所得に相当する持分および収益を追徴する |
滅失 | 追徴、相当額の財産の没収 |
未引渡し/返還済み | 贈賄者から追徴する |
第三者による保管 | 当該第三者から追徴する |






