「広州国際商事仲裁センター建設条例」
2025年に改正された「中華人民共和国仲裁法」の施行に伴い、臨時仲裁制度が法的に認められることとなった。臨時仲裁制度をさらに具体化し、広東省を国際仲裁センターとして推進するため、広州市人民代表大会常務委員会は2026年4月3日に「広州国際商事仲裁センター建設条例」(広州市第16期人民代表大会常務委員会公告(第78号))を公布し、5月1日より施行した(以下、「条例」という)。条例は計40条からなり、主な内容は以下の通りである。
一、仲裁規則の選択権の明確化
条例は、当事者が広州で仲裁活動を行う際、適用する仲裁規則を自由に合意できると規定している。これには、国内外の仲裁機関が広州に設立した分機構の規則、香港・マカオ及び海外の仲裁規則、並びに国際的に通用する仲裁規則が含まれる。ただし、当事者が合意する仲裁規則は、仲裁地の公共の利益を損なってはならず、また仲裁地の法律・法規の強行規定と抵触してはならない(第26条)。この条項は、企業に仲裁手続に関する広範な選択権を与えている。
二、臨時仲裁メカニズムの明確化
条例は臨時仲裁メカニズムを明確化しており(第27条から第30条)、以下の主体が広州を仲裁地として臨時仲裁を行うことを認めている。対外海事紛争に関わる当事者、及び国務院の承認を得て設立された自由貿易区、海南自由貿易港、並びに国が定めるその他の区域内に設立登記された企業間の対外紛争に関わる当事者である。上記の企業は、対外紛争を処理する際、事案の状況に応じて仲裁廷の構成方法及び構成規則を自ら合意することができるほか、仲裁機関を臨時仲裁サービス機関として選定し、仲裁廷の構成支援等のサービスを提供してもらうこともできる。






