×

WeChatを開いてQRコードをスキャンする
WeChatパブリックアカウントを購読する

ホームページ 事務所について 専門分野 インダストリー 弁護士等紹介 グローバルネットワーク ニュース 論文/書籍 人材募集 お問い合わせ 配信申込フォーム CN EN JP
ホームページ > 論文/書籍 > 論文 > コロナ禍における操業再開に関するQ&A

コロナ禍における操業再開に関するQ&A

作者:洪静海 大崎詠子 2022-05-14

上海市におけるコロナ疫病防衛・コントロールの情勢が明らかになるにつれ、操業再開が上海企業の最も注目する話題の一つとなる中、4月16日から現在まで、上海では2度にわたって復工復産ホワイトリストが発表され、2000社近くの企業がプロセスに則った操業の再開に着手し始めている。本Q&Aは、企業がコンプライアンスに則って操業再開をするための助けとなるよう、上海市経信委員会が最近発表した『上海市の工業企業の操業再開における防疫対策の手引き (第2版)』および上海市政府のWeChatオフィシャルアカウントである「上海発表」などの公式プラットフォームが発表した問答意見の内容をまとめ、多数の企業と従業員の皆様が関心を寄せる問題について回答するものである。


Q1:どのような産業分野の企業が優先的に操業再開を申請することができるか?


A1:国及び上海市の関連部門の政策意見に基づき、現在の企業の操業再開の申請範囲は主に都市運行保障、防疫物資保障、重要機能保障、連続生産作業、関連基礎サポートの5種類の企業を含む。またその他に、上海では、長江デルタ、全国の産業チェーンやサプライチェーンに大きな影響を及ぼす大手産業チェーン企業群が率先して操業再開することを支援している。


Q2:企業の操業再開の申請プロセスはどのようなものか?どの窓口に申請すればよいか?


A2:全体の流れは大きく以下5つのステップに分けられる:準備、申請、検査、復工通知、復工復産。

操業再開の認可申請は、所属する地域の疫病防衛・コントロール部門に提出する。また各区は、企業の復工復産申請の流れと条件を公表しなければならない。企業は規定に従って町、団地(工業園区)または区経委員会などの部門に申請を提出する。区の疫病防衛・コントロール部門が承認した後、企業は操業再開することが出来る。


Q3:企業が操業再開の準備段階でするべき事は何か?


A3:

①  主体責任をしっかりと実行すること、疫病防衛・コントロールと安全生産経営の専門グループを設置すること、企業の各級管理責任者を管轄部門の疫病防衛・コントロールの第一責任者とすること。

②  疫病防衛・コントロールと操業再開のクローズド型管理案を制定し、人、物、環境の共同防衛を堅持し、核心的かつ重要な職場と段階においては、“人到岗、车能动、疫防好”(人が職場に着き、車が動け、疫病防衛をよくおこなっている)であることを実現する。

③  応急処置対策及び、区域外への拡大防止の特別管理措置を制定する。


Q4:企業の申請が承認されてから、正式に操業再開までにどのような準備をするべきか?


A4:

①  疫病防衛・コントロールの条件に合致する企業は、復職人員のために早めに所在区の操業再開の先頭政府部門または関連部門に統一して「復工証(従業員用の操業再開証明)」を申請し、バスやタクシー会社などに連絡して職場に復帰する従業員の輸送を確実に行う。

②  操業再開前の特定項目の除菌作業と生産安全検査を行う。重点業界分野、重点場所、肝心な部位及び危険作業の安全管理を確実に強化し、危険作業の安全許可制度を厳格に実行し、工期を合理的に手配し、過重労働や工期を急ぐあまり安全を無視するといった事態の発生を厳格に防止する。

③  防疫物資の発注手配と備蓄管理をしっかりと行う。抗原検査試薬、防護マスク、アルコール、ハンドクリーンジェル、温度計、防護服、防護眼鏡、医療用手袋などの防疫物資を適時調達する。防疫物資は14日分以上を備蓄することを提案する。

④  早めに操業再開人員の規模の割合によって臨時隔離観察区を設置し、従業員数の多い企業と園区に、専用の方艙(臨時隔離医療施設)を設置することを支持する。

⑤  物流輸送の需要がある場合、企業は実際の需要に基づいて所在区またはグループにて市内、市外通行証の申請を行う。審査を経たのち「随申弁」アプリ上に車両電子通行証が発行される。


Q5:操業再開(閉鎖生産)期間中、どのように場所の区分・分類と安全生産管理を行えばよいか?


A5:

緑区(正常生産)、青区(新規参入者を観察)、黄区(濃厚接触または次濃厚接触)、赤区(感染状況がある)に従って異なるリスク区域を設置し、各区が互いに隔離される状態を確保。同じレベルの区域内においては、管理ユニットを更に細分化し、異なる区域の人員の流動・接触を減らす。


外部環境との接触の程度に応じ、異なる区域に対して異なる防疫基準を設け、実施する。


各区域間を物理的に隔離し、かつ職場、住所の「二点一線」の管理を実行し、すべての人員が指定された場所で働き、宿泊し、異なる区域間の人員の直接接触を最大限に減らす。


受け渡し区域(例えば出入り口、荷揚げ場、倉庫)、生産経営区域(例えば職場、会議室、事務区など)、生活区域(例えば食堂、寮、ジムなど)、公共衛生区域(例えばトイレ及び廃棄物処理場)、公共空間(例えば道路、屋外場)などの異なる区域について、分類管理を実施する。各区域間の接続部の管理を強化し、リスクを根絶する。


また、各種の場所の衛生と消毒を強化し、特に密閉、半密閉空間、共同空間などの防疫管理をしっかりと行い、高頻度接触物品(例えば手すり、ドアノブ、エレベーターボタン、宅配棚、宅配物品など)、高人流集積場所(生産現場、会議室、事務室)、公衆トイレ、物流交換場所などを重点として科学的な衛生消毒作業を徹底しなければならない。


各企業は条件の許す限り自然通風を優先する。


Q6:従業員はコミュニティがまだ閉鎖区域にあることを理由に企業の操業再開の手配を拒否することができるか?


A6: コミュニティがまだ閉鎖区域にあることを理由に拒否することはできない。


企業が操業再開従業員のための「復工証」を申請した後、村居委員会は当該人員の身分証明書を確認し、居住する棟内に7日間以内に陽性感染者がいないことを確認。更に抗原検査が陰性であった場合申請を通過する事が出来る。つまり、従業員が職場に復帰できるかどうかは、本人が居住する棟内の7日以内の状況で決定され、所在するマンション、街道の管理状態(閉鎖区域であるかどうか)の影響は受けない。


Q7:企業は操業再開承認後、新たに現場復帰する社員をどのように管理すれば良いか?


A7: 新たに現場復帰した社員(第1陣ではない場合)に対して、一定の沈黙期(隔離観察期間)を設定し、独立した宿泊・生活条件及び「1日2回測定」(朝抗原検査、午後PCR検査)を実施する。また移動に関しては、安全な交通手段を手配し、職場復帰人員をグループで職場に移動させなければならない。なお沈黙期間においては、ビデオ、電話などの遠隔事務形式での労働を優先することを提案し、またこれらの従業員に対し、先に疫病防衛・コントロールのオンライン安全訓練を受けるよう手配してもよい。


Q8サプライヤーの駐在員、第三者の協力者、アウトソーシング従業員などの非従業員に対しては、どのような管理を行うべきか?


A8:疫病防衛・コントロールの管理の面では、従業員、非従業員に関わらず、すべての人員を画一的に管理しなければなりません。企業で実際に働く人員を分類して登録し、すべての人員を対象に、統一した防疫と安全生産を行い、同時に、可能なかぎりビデオ、電話などのオンライン形式での、疫病防衛・コントロールと安全生産教育を行い、企業人員の自己防護意識と能力を強化するべきである。雇用管理の面では、非企業労働者に対して、実際の雇用主と事前に意思疎通し、関連協定を締結し、再稼働・閉鎖生産の特殊な時期の権利義務関係を明確にすることを提案する。


Q9:従業員の現場への復帰後、企業はどのように閉鎖管理を行えばよいか?またローテーションは可能か?


A9:企業の閉鎖管理については、原則として全過程で実施する必要があり、異なるグループ間で接触のない交代を行い、できるだけ人員の外出を減らす。また外来者を厳しく抑制し、もし受け入れなければならない場合は、48時間以内のPCR検査陰性証明及び、現場抗原検査の陰性結果が必要となる。さらに外から入る者が現場復帰する社員の場合、前述したとおりの沈黙期間制度に従う必要がある。


ローテーションが可能かどうかについて、企業は所在区の“操業再開の先頭政府部門”に操業再開社員者の交代を申請することができる。関係者は48時間以内のPRC検査陰性証明と、コミュニティに入る前に追加で行う抗原検査の陰性結果をもって、コミュニティに戻ることができる。また条件が整っている区の場合は、防範区の調整と結びつけて拡大することができ、防範区内の従業員が無疫コミュニティから無疫工場区、園区またはビルへ移動する「点対点」の半クローズド型管理を開始し、従業員はシャトルバスによって通勤することができる。


Q10:操業再開後、従業員が工場の閉鎖空間に滞在している時間は、すべて勤務時間と見なすべきか? 従業員に法定時間の制限を超える残業を手配しても良いか?


A10 :バブル式の生産系は疫情防止・コントロールに必要な一時的な管理措置に対応し、一般的には労働者の本来の勤務時間に従って履行しなければならず、また非勤務状態の工場滞在時間は残業と認定すべきではない。


バブル方式による生産期間の従業員への残業の手配は、通常通り法律に則る必要があり、毎日3時間まで、毎月36時間までという法定の上限を遵守しなければならない。但し、もし企業が明確な法律規定に則って前述した上限を破る事のできる状況を形成した場合(例えば供給保障類企業の重大な生産任務、公共設備の応急修理など)、従業員の健康と休息の権利を保障する前提で、妥当な範囲内で、法律規定を超える残業を手配する事ができ、かつ残業後は適度な休息を手配しなければならない。


Q11 :従業員に健康面での異常が生じた場合、企業はどのように対処すべきか?


A11:質問4への回答でも説明したとおり、企業は従業員の人数の割合によって臨時隔離観察区を設置し、人数の多い企業は工場区に方艙(臨時隔離医療施設)を設置しなければならず、もし従業員の抗原検査或いはPRC検査の結果が異常となった場合、速やかに当部門の責任者と所在区疾病管理センターに報告し、当該人員を直ちにこの臨時隔離観察区に隔離する必要がある。また同時に、関連する濃厚接触者を逐一チェックし、結果検査が異常となった従業員とは別の空間で、臨時隔離措置を行うべきである。


最後に、バブル方式での操業再開期間という特殊な状況における労務トラブルを回避するために、企業は事前に当該期間の従業員管理制度及び規律違反制度を通常の就業規則以外に別途準備する事をお勧めする。